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欲しいものなら、揃いすぎてる時代。

欲しいものなら、揃いすぎてる時代。

斉藤和義は、名曲『僕の見たビートルズはTVのなか』の冒頭でそんなことを言っています。

確かに世の中にはモノが溢れています。例えば、今どうしても掃除機が欲しい…と量販店に行ってみると、省エネ、吸引力、カラー…機能やデザインが様々あって、結局、決めてが見つからないままプラプラ時間を持て余したりします。じゃ、安いほうがいいじゃん!って思うのですが、いや、やっぱりどうせ買うならイイ奴を…と(またプラプラ)。

なんでもかんでも表面張力を失ってモノで溢れている時代、人は何を基準にモノを買うのか。

やっぱり、信頼性なんでしょうね。
ブランド力=信頼性 なんだと思うんです。

20140721-171815-62295107.jpg先日、首里にある『金細工またよし』さんにお邪魔してきました。

ジーファーって知ってますか?

ジーファーは琉球王朝時代の男女が髪を結う時に使っていたかんざしのことです。

20140721-171919-62359635.jpg 金細工またよしは500年の歴史ある伝統を受け継いでいる金細工屋さんです。金細工は琉球王府のお抱えの職位として、鉄以外のすべての金物細工を作っていました。

現在の店主は又吉健次郎さん、7代目です。戦争で一時生産が途絶えましたが、先代誠睦さんが1960年代に再興させました。

前々から一度ご挨拶に伺いたいと思っていたので…念願叶って感動ひとしお。

工房は思っていたよりも小さく、そのなかの畳一畳半のスペースが健次郎さんの仕事場。鉛色に輝く作業道具はどれも年季が入っていて、掌のカタチになって丸い…歴史を物語ります。

20140721-172102-62462674.jpg工房内の小さなショーケースには健次郎さんやそのお弟子さん達の作品が並び、手にとってじっくりと見ることができます。

ジーファーはモチロン、主に貴族の婚礼の儀で使用されていたといわれる七房指輪や結指輪…どれも色気があって、重みがあって…。素敵な作品ばかりです。
特にジーファーはダントツの雰囲気。女性の立ち姿をモチーフに作られるジーファーは昔は身分によって使うかたちが決まっていたようで、頭や首にあたる部分の大きさや角度などが微妙に違っています。

20140721-172240-62560867.jpgシンプルながら、銀を叩く力も必要なうえ繊細な技が必要とされるのでジーファーを作るのがいちばん時間もかかり難しいとのこと。

健次郎さんは現在84歳。元々ラジオ局に務めていて、40歳のときに後継者に。

『本当に良いモノはデザインじゃないんです。そのモノを見たとき、手に取ったとき、そこに「情景」が広がるくらいじゃないとホンモノとは言えない』   

健次郎さんは急に来た僕に優しく金細工の歴史、そしてものづくりのことを教えてくれました。
ーーー壁に当時の遊女が映ったモノクロの写真が飾っていました。
スッとした佇まいのその女性はやっぱりジーファーを差していて、、、、これがまた艶かしい。。

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『よく皆さんにも言うんですけど、又吉の名前はあくまで作っている工房の名前です。
だから本来、作品が作り出された時点でもうそこに又吉の名前は存在しません。代々受け継がれた魂、カタチを変えることなく今に生かすこと、僕が考えているのはそれだけです。多くは時代に合わせて変化をつけたりするんですけど・・・。本当の意味で伝統を残すって難しいんですよね』   

きっと、今日も500年前から変わることのない 「カンカン」 というあの心地いい金を叩く音が響いていることでしょう。ホンモノの価値は時代に左右されません。ジーファーがそうであるように
むしろ、時代を経てこそ輝きを放つものだと思います。 

20140721-172417-62657028.jpgモノが溢れている時代だからこそ、改めて伝統の技やものづくりに目を向けなければ。

健次郎さん、ありがとうございました。また、遊びに行きますね!!
これからもお元気で。

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