言い訳。
- September . 18 . 2015
- Diary
おおよそ30㎝のその折りたたみ椅子をグレン・グールドは「もはや家族だ」と言った。
雄々しい漆黒のボストン製チッカリング「スタインウェイ」を前に、猫背で頼りげのないグレン・グールドはその小さな椅子に座って鍵盤と向き合う。
このアシンメトリーな構図を初めて見た人はだいぶ滑稽に思っただろう。
しかし、彼が鍵盤をなぞった途端…皆が一気に彼の世界に魅了される。
『これは何だ?!』…と。
極度な前のめりの姿勢で、指揮者のように身体を揺らしながらピアノを弾く彼のプレイスタイル。…圧巻!!
グールドと同じように、誰にでも自分のスタイルがあると思う。イチローの振り子打法、フランコのスコーピオン打法、王さんの一本足打法… (野球ばかりですが 笑)。
最高のパフォーマンスのために僕らは皆一人ひとり、なにかしら独自の『決まりゴト』を持っていて、そういったものは大抵自分のなかでは当たり前なのだけど、他人からしたら『?』みたいなことがよくある(笑)。
僕の場合、絵を描くのはいつも決まって深夜。仕事を終えて、夕飯を食べて、そして、お酒を飲んで、ベッドに入るほんの少し前に僕はペンを取る。
酔いと睡魔の狭間にいると、なんだか頭がかえってすっきりしてくる。そんなすっきり感のなかでペンを走らせると、案外好きな絵が描けるもので(^-^)
もちろん、描き始めが遅いから、完成するのは朝方…すずめがチュンチュン鳴く頃だったりするので、その後仕事に支障をきたすのだけど(笑)
絵本を出して、なんだかんだで2ヶ月が経過した。おかげさまで大好きなモデルの花楓さんや岸本セシルさん、世界的なダンサー、仲宗根梨乃さんにも絵本についてご紹介頂き、最近ではwebマガジンのCREATORS PARKやHOUYHNHNM(フィナム)にも取り上げて頂いた。
これまで、イラストレーターとして活動してきたなかで自分の作品として、商品を発売したのは初めての経験。
自己満足で終わってしまうのはかっこ悪いし、はじめは皆さんのリアクションばかり気にしていたけど、今となっては自己満足でもいいや!と思えるようになった。
結局、自分が満足していないことは、他人に対してアウトプット出来ない。
今では絵本が少しずつ一人歩きし始めてくれていて、僕の世界観を伝播してくれている。
ある意味、今回出版させて頂いた絵本は僕の名刺代わりで、これまで出会うことのなかった素敵な皆さんとを繋げてくれている。
-他人の芝生は青く見える-
僕も世間体ばかり気にしていた時期があったし、今もどこか予定調和であることに安堵してしまうこともある。
•••だけれど、グールドがそうであったように自分のスタイルを突き通して生きて行きたいと僕は考えている。
ファッションもそう。
誰にでも自分の好きな服、シルエット、カラーがあるはず。個性を良しとする海外と違って、どうしても日本という国は「一緒」であることを美徳とする気概があるのだけど、オレはオレ、私は私のスタイルを崩すことなく主張していくことが大切なんだと思う。
そういった個々の違いがあるからこそ、新しい発見、気づきがあるはずで、そのほうが絶対楽しい(でしょう?)。
だから、僕は今日もきっと深夜に絵を描くし、明日はそのせいで遅刻ギリギリに起きるんだと思う・・・
・・・・ここまで、僕が「朝弱い」ことに関する言い訳をなんとか皆さんにかっこ良く伝えようと頑張ってみたのだけど笑
・・・どうやっても駄目そうなので、明日から頑張って早起きします♬
〝LIFE OF MR.DONK〟
¥1,500(Tax in)/32p / B5サイズ
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